とある社員の御意見番(独り言)

時事問題等についてコメントします

【政治・経済】原子炉とは本当に有害なだけなのか

原発が再稼働認可された事や原発停止の仮処分が裁判で…
という話を良く聞きます。
原子力が与えたのは電力だけで本当に有害なだけなのでしょうか…?



答えは違うと思います。
原子力というと発電や潜水艦を連想する方も多いと思いますが、それだけではありません。
メディアはあまり報道していませんが原子炉は学術や産業利用、医学等にも大きく貢献しています。
よく取り上げられる原子力発電所の他に2018年9月末現在、原子炉でも運転再開した研究炉は4基、再開許可取得済みは1基、審査中が3基、設置変更許可申請準備中が1基、廃止措置が13基です。
ほとんどニュースにも騒がれてもいないのは不思議です。
原発反対派にとっては不都合な事実だからかもしれませんね。


では一体、研究用原子炉は何に使われるか見て行きましょう。
①医療分野
いきなり医療分野と言われても原子炉と一体何の関係が…
と思われるかもしれません。
医療検査「ラジオアイソトープ検査(核医学検査)」などに使用される「放射性同位元素(RI)」の製造に使用されるのです。
放射線を出し、半減期も短い放射性物質をごく微量投与される放射性医薬品です。
医薬品といっても薬ではなく、あくまで検査用です。
また、がん用の治療器具も研究用原子炉から作られます。
国内の研究炉が停止しているので、海外からの輸入に頼っているようです。
②研究用
研究用原子炉は中性子科学の分野でも役に立ちます。
中性子をビームのように放射する『中性子ビーム』は元素や原子の動きを観測したり、駆動しているエンジン内部の潤滑油の挙動を観察して低燃費化をはかるといった実験にも利用されています。
研究用なので正しい使い方かもしれませんね(笑)
③人材育成
研究用原子炉は研究学生等の教育にも使用されています。
近畿大学の研究炉「UTR-KINKI」では学部生の原子炉運転・実験実習の他、小中高校などの教員研修に利用されているようです。
④その他
他にも多くの使い道がありますが、後は『研究用原子炉』で調べてみて下さい。



原発反対派はこういった原子炉についても廃炉と要求するかもしれませんが、研究用原子炉は原発の維持管理や廃炉技術の人材育成にも必要です。
仮に反対するだけなら簡単です。
反対だけでなく代替のプラン(道筋)等も用意して頂きたい所です。


福島の事故は悲惨で甚大な影響はありましたが、それでも原子力は必要だと思います。

あなたは事故を見て原子力は危険だから今すぐやめろと言いますか?
それとも原子力は必要だと思いますか?

原子力をやめるという事は電力だけの問題ではなくなります。
それらを踏まえて今後どうして行くか、真剣に話し合うべきだと思います。
原発の再稼働を政治利用や政権批判に使うのでなく、理論的に考えてもらいたいです。

<参考文献>
総務省資源エネルギー庁
原子力教育・科学研究・産業・医療…さまざまな分野で役立つ「研究用原子炉」
www.enecho.meti.go.jp
国立循環器病研究センター
循環器病研究サービス
[33] RI検査で何がわかる?
www.ncvc.go.jp